追い風東海市 太田川

駅西で約100haの区画整理が進み、2027年に大学・物流・道路が同時に立ち上がる。地価は10年で+36%と先行済み

太田川駅は名鉄常滑線と河和線の分岐駅で、1日平均乗降人員は20,284人(2024年度)。名鉄名古屋まで特急で17分、中部国際空港へは乗り換えなしで着く。駅西では東海太田川駅西土地区画整理組合が約100haのまちづくりを進めており、2029年度の組合解散を目標に、日本福祉大学の拡張キャンパス(2027年4月に社会福祉学部が移転し、拡張後の収容学生数は約3,200名。大学はこれを現在の約2倍と説明している)、延床約16万m²の物流施設プロロジスパーク東海1(2027年5月竣工予定)、商業施設が相次いで立地する。西知多道路の大田インターチェンジ(仮称)も同区域に接続し、愛知県は2027年度の全線開通を目標としている。ただしエリア内の公示地価(中央値)はすでに2015年比+36%・2025年は前年比+5.31%と、計画の進捗を先取りして上昇している。駅半径1kmの将来推計人口は2050年でも2025年比-3.8%と粘る一方、生産年齢人口は同期間で-16%となり、高齢化率は19.3%から30.7%へ上がる推計。雇用は日本製鉄名古屋製鉄所を軸とした素材産業に集中しており、伊勢湾沿いの低地という立地から津波・高潮・液状化の想定も物件単位で確認が要る。

エリアの見通し年表

2026
区画整理地内の分譲価格と賃料水準を確認進行中

駅西の区画整理区域で商業施設「フォレストモール東海太田川」(駐車場300台以上)が開業し、駅徒歩圏の生活利便が更新される。区域内ではホームセンター・ビジネスホテル・住宅街区の整備も並行して進む。

2026
製鉄所関連の雇用・社宅需要を確認転機

日本製鉄が約3,000億円を投じた名古屋製鉄所の新熱延ラインが8月に商業生産を開始。名古屋製鉄所としては63年ぶりのライン新設で、熱延の生産能力は約2割増の年約600万トンとなる。東海市の基幹雇用が更新される。

2027
単身向け賃貸の需給と新規供給量を確認転機

日本福祉大学の拡張した東海キャンパスが4月に始動し、社会福祉学部の移転で収容学生数は約3,200名(大学の説明では現在の約2倍)となる。プロロジスパーク東海1(延床約16万m²、地上4階)が5月に竣工予定。愛知県は西知多道路の全線開通を2027年度に目標設定しており、大田インターチェンジ(仮称)が供用に向かう。

2029
供給一巡後の価格水準を再評価再評価

東海太田川駅西土地区画整理組合が2029年度(令和11年度)の解散を予定。保留地処分と宅地供給が一巡し、エリアの価格水準が固まる局面。

2040
駅徒歩圏外の流動性リスクを確認警戒

太田川駅から半径1kmの将来推計人口は12,291人(2025年比-0.9%)とほぼ横ばいだが、生産年齢人口は7,574人(同-8%)へ減り、高齢化率は26.1%まで上がる推計。区画整理で供給された住宅ストックが築10年超となり、駅徒歩圏と徒歩圏外の流動性格差が表面化しやすくなる。

買う理由(9

駅西で約100haの土地区画整理事業が進行中で、2029年度の組合解散を目標にしている

太田川駅は名鉄常滑線と河和線の分岐駅で、名鉄名古屋まで特急17分・中部国際空港へ直通

日本福祉大学の東海キャンパスが2027年4月に拡張し、収容学生数は約3,200名規模へ

延床約16万m²の物流施設プロロジスパーク東海1が2027年5月に竣工予定

西知多道路の大田インターチェンジ(仮称)が接続し、愛知県は2027年度の全線開通を目標にしている

日本製鉄名古屋製鉄所が約3,000億円を投じた新熱延ラインを2026年に稼働させた

東海市は企業立地交付金と次世代産業立地補助金を用意し、産業集積を後押ししている

エリア内の公示地価(中央値)はこの10年で+36%、直近も前年比+5.31%

駅半径1kmの人口は2030年まで微増の推計で、市全体より減りにくい

買わない理由(8

駅周辺でも高齢化率は2025年19.3%から2050年30.7%へ上がる推計

区画整理区域内の新規供給が既存物件の直接の競合になる

雇用が日本製鉄と関連する素材産業に集中している

伊勢湾に面する低地で、津波・高潮・液状化の想定がある

居住誘導区域の内外で将来の資産価値が分かれる

自動車前提の生活圏で、駅徒歩圏プレミアムは首都圏ほど大きくない

大型物流施設の集積は住宅需要への波及が限定的になりうる

市内では2024年開業の加木屋中ノ池駅周辺が新たな受け皿になっている

人口の未来(太田川

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・43メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
12,398人(2025)
2050年 96 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 99992025年 1001002030年 1001002035年 1002040年 99992045年 982050年 96962055年 942060年 91912065年 882070年 8585全国 71202020302040205020602070
高齢化率
19.3%
全国比 -10.3pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 19.3%19.32030年 20.5%20.52035年 22.9%2040年 26.1%26.12045年 28.3%2050年 30.7%30.72055年 33.1%2060年 34.9%34.92065年 35.5%2070年 34.4%34.4全国 38.7%20302040205020602070
太田川(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は96減少傾向) 高齢化率も全国より10.3pt低い(若い) 生産年齢人口(15〜64歳)は8,224人(2025)→6,922人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(太田川

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

東海市の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
37.0%2020
全国比 -1.0pt10年で +5.7pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 太田川 31.3%31.32015年 太田川 34.2%34.22020年 太田川 37.0%37.0201020152020
夫婦と子供世帯率
30.3%2020
全国比 +5.3pt10年で -2.7pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 太田川 33.0%33.02015年 太田川 31.9%31.92020年 太田川 30.3%30.3201020152020
太田川東海市全国

単身世帯率は37.0%と全国より1.0pt低い10年の変化は+5.7ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは速い夫婦と子供世帯は30.3%と全国より5.3pt高い なお単身のうち65歳以上は9.1%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
11.9万円/m²
7.413.4万円/m²
2025年 / 25地点
路線価
9.2万円/m²
5.913.5万円/m²
令和6年 / 764地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)
実勢 110%
公示 100%
路線価 77%

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

空き家率・賃貸空室率(東海市

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
12.8%
全国比 -1.0pt前回比 +3.4pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 11.7%11.72013年 11.0%11.02018年 9.4%9.42023年 12.8%12.82008201320182023
賃貸空室率
12.4%
全国比 -6.2pt前回比 -3.6pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 19.4%19.42018年 16.0%16.02023年 12.4%12.42008201320182023
東海市全国

空き家率12.8%の内訳

空き家を100%とした構成比
35%
61%
賃貸用35%その他(相続放置・長期不在)61%売却用・別荘等4%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層初めて家を買う人エリア性格郊外のベッドタウンエリア性格昔から続く住宅街エリア性格駅前の繁華街

    同一需給圏は名鉄河和線・常滑線沿線を中心とする東海市及び隣接市町の住宅地域で、需要者の中心は同一需給圏内に居住する一次取得層である。太田川駅・南加木屋駅・加木屋中ノ池駅などの駅徒歩圏や、西知多総合病院周辺は交通利便性の向上を背景に需給が安定し地価は上昇基調にある一方、住宅取得費用の増加が実需の減退を懸念させるとの指摘が複数地点で共通する。市街化調整区域や街路の狭い既成住宅地は選好性が弱いものの相対的割安感で一定需要が下支えする。商業地は幹線・国道沿いのロードサイド型と太田川駅前の駅前商業地に大別され、需要者は地場の物販・飲食事業者や全国チェーン、太田川駅前ではマンションデベロッパーも想定される。価格帯は土地1,000万円台~3,700万円、新築戸建2,500万円~5,000万円程度である。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み再開発強み利便性高マクロ感応性金利感応高

    一般的要因では金利・建築資材や人件費の上昇が住宅取得コストを押し上げ一次取得層の購買意欲を減退させるとの指摘が大半を占める一方、経済の緩やかな回復を背景に住宅需要は底堅く地価は安定・上昇基調にあるとする鑑定士も多い。地域要因では、2024年3月開業の名鉄河和線新駅「加木屋中ノ池」駅周辺や周辺道路整備が進んだ地点で交通・環境項目が大幅にプラス評価され、太田川駅西地区は区画整理事業の換地処分公告(2024年2月)を経て安定的に推移する。その他多くの既成住宅地域や市街化調整区域では地域要因に特段の変動は認められないとされる。個別的要因はほぼ全地点で変動なしと共通する。変動率は年間+0.3%~+5.3%とプラス圏が中心で、新駅・再開発関連地点ほど高い上昇率が示されている。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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