中立多治見市 多治見駅(JR中央本線・太多線)

駅前再開発が16年続いた転出超過を反転させた一方、市全体の人口見通しは2050年に約7万人と重い

多治見市の第3次人口対策中期戦略は、2023年に16年連続で転出超過だった多治見市の社会動態が転入超過に転じ、その主な要因が駅南再開発によるマンション棟の建設と外国人の入国規制緩和だったと記載している。同戦略は住宅事情による転入出が転入超過で推移することを多治見市の強みと位置づける一方、中心部で住宅用地の流通が少なく地価も上昇傾向にあるため移住先の検討段階で市外へ流出する傾向があるとも書いている。ただし多治見市の人口は2000年国勢調査の115,740人をピークに2020年国勢調査で106,732人まで減り、2050年には約7万人と推計されている。駅徒歩圏の需給と市全体の人口動態が逆を向いているエリア。

エリアの見通し年表

2028
分譲開始と進出企業の確認転機

多治見高田テクノパーク第1区画(約11.5ha)の販売予定年度。多治見市は同区画を令和10年度販売予定と公表しており、第2区画(約2.5ha)はすでに売却されて水谷産業が2023年11月から操業している。

2029
駅北の商業集積の変化を確認転機

多治見市役所の新庁舎が多治見駅北側の音羽町1丁目で供用開始を目指す年。2025年地価公示の鑑定評価書は、この事業の進捗に伴い駅北地区の地価は上昇傾向が続くと予測している。

2031
東濃圏の雇用動向を確認様子見

隣接する中津川市でJR東海のリニア中部総合車両基地の造成工期が満了予定。JR東海は当初計画から3年9カ月延ばして2031年12月までとしており、多治見市は岐阜県の東濃クロスエリアの一員として間接的な波及を受ける位置にある。

2034
誘致実績の実測転機

リニア中央新幹線 品川〜名古屋の開業(JR東海が2024年3月29日に示した2034年以降のシナリオ)。多治見市にリニア駅はなく、岐阜県が東濃クロスエリアで進める本社機能移転・データセンター誘致が実を結ぶかどうかが波及の分かれ目になる。

2040
出口戦略の再点検警戒

多治見市の人口減少が進む局面。多治見市の第3次人口対策中期戦略は2050年に約7万人という推計を示しており、その途中経過にあたる。同戦略は名古屋圏のベッドタウンとして続いた社会増が郊外団地開発の収束とともに弱まったと分析している。

買う理由(8

多治見市の社会動態は2023年に16年連続の転出超過から転入超過へ転じ、多治見市は駅南再開発のマンション棟を主因に挙げている

多治見市では中心部の住宅用地の流通が少なく、移住検討層が市外へ流出している

多治見市役所の新庁舎が多治見駅北側に建設予定で、2029年の供用開始を目指している

多治見駅南地区の市街地再開発事業が2022年11月に完了し、駅徒歩圏の都市機能が更新されている

多治見市は住宅事情を理由とする転入出が転入超過で推移することを市の強みとしている

多治見市は工業用地の造成と企業誘致を継続しており、雇用の受け皿づくりが進んでいる

多治見市は居住誘導区域内での住宅取得に加算のある定住支援を実施している

岐阜県が東濃クロスエリアで本社機能移転・データセンター誘致を推進しており、多治見市はその対象7市町に含まれる

買わない理由(6

多治見市の人口は2000年をピークに減少が続き、2050年に約7万人という推計が示されている

多治見市では職業事情による転入出が転出超過で推移し、特に20〜29歳の転出が多い

多治見市の自然減は続いており、2021年の合計特殊出生率は1.33で人口維持水準を下回る

多治見駅周辺の市街地には土岐川の氾濫による浸水想定がある

リニア中央新幹線の開業が2034年以降に後ろ倒しされ、東濃圏への波及も遅れている

多治見高田テクノパーク第1区画(約11.5ha)の販売は2028年度予定で、雇用への寄与はまだ先になる

人口の未来(多治見

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・49メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
11,425人(2025)
2050年 69 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 1071072025年 1001002030年 94942035年 872040年 81812045年 752050年 69692055年 642060年 58582065年 532070年 4848全国 71202020302040205020602070
高齢化率
35.9%
全国比 +6.3pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 35.9%35.92030年 37.5%37.52035年 40.2%2040年 42.3%42.32045年 44.2%2050年 45.9%45.92055年 47.7%2060年 49%492065年 49%2070年 47.4%47.4全国 38.7%20302040205020602070
多治見(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は69減少傾向) 高齢化率も全国より6.3pt高い 生産年齢人口(15〜64歳)は6,175人(2025)→3,618人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(多治見

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

多治見市の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
25.8%2020
全国比 -12.2pt10年で +6.2pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 多治見 19.6%19.62015年 多治見 21.7%21.72020年 多治見 25.8%25.8201020152020
夫婦と子供世帯率
30.1%2020
全国比 +5.1pt10年で -5.0pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 多治見 35.1%35.12015年 多治見 33.3%33.32020年 多治見 30.1%30.1201020152020
多治見多治見市全国

単身世帯率は25.8%と全国より12.2pt低い10年の変化は+6.2ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは速い夫婦と子供世帯は30.1%と全国より5.1pt高い なお単身のうち65歳以上は11.2%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
3.6万円/m²
1.99.4万円/m²
2025年 / 17地点
路線価
3.9万円/m²
2.55.9万円/m²
令和6年 / 824地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)
実勢 110%
公示 100%
路線価 108%

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

空き家率・賃貸空室率(多治見市

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
10.9%
全国比 -2.9pt前回比 -3.0pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 12.0%12.02013年 10.5%10.52018年 13.9%13.92023年 10.9%10.92008201320182023
賃貸空室率
14.4%
全国比 -4.2pt前回比 -6.1pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 15.2%15.22018年 20.5%20.52023年 14.4%14.42008201320182023
多治見市全国

空き家率10.9%の内訳

空き家を100%とした構成比
28%
67%
賃貸用28%その他(相続放置・長期不在)67%売却用・別荘等5%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層初めて家を買う人エリア性格駅前の繁華街エリア性格昔から続く住宅街エリア性格郊外のベッドタウン

    同一需給圏は多治見駅周辺・精華小学校区を中心とする既成住宅地域と、笠原町・市之倉町など地場産業(窯業・タイル業)の衰退が続く郊外住宅団地とに二極化している。主な需要者は名古屋方面へ通勤する市内在住の一次取得者層で、駅徒歩圏では供給不足により旺盛な需要が続き、土地総額800万~1500万円程度、新築戸建は3000万~5000万円が中心価格帯となる。一方、郊外の住宅団地は高齢化・人口流出により需要が弱く、土地400万~600万円程度が中心となる。商業地は多治見駅周辺及び幹線道路沿いの路線商業地が中心で、需要者は地元事業者・法人のほか全国・地方展開の事業者も含まれる。駅周辺はマンション・ホテル等多用途との競合が見られる一方、笠原町など郊外の商業地は地場産業の衰退により需要が乏しい状況にある。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み再開発強み希少性マクロ感応性安定

    一般的要因としては建築費高騰やインフレ・金利上昇等の記述が多くの地点で共通して見られるが、地域要因への影響は限定的とされる。地域要因としては、多治見駅徒歩圏や精華小学校区で宅地供給が慢性的に不足しており、需給ひっ迫を背景に地価上昇基調が続く点が目立つ。商業地では多治見駅南地区の市街地再開発事業の完了、駅北土地区画整理事業及び市役所新庁舎移転計画の進捗が地価を押し上げている。一方、笠原町・市之倉町など地場産業(窯業・タイル業)の衰退が続く郊外や、昭和期に開発された住宅団地では、人口減少・高齢化に伴い地域要因に大きな変動は見られず、静態的な地価下落基調が続いている。個別的要因については、大半の地点で変動はないとされている。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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