中立美濃加茂市 美濃太田駅(JR高山本線・太多線/長良川鉄道越美南線)

美濃太田駅の南側で総事業費約104.1億円・住宅141戸の第一種市街地再開発事業が進み、2026年1月7日に美濃加茂市が施行地区となるべき区域を公告した一方、駅のある太田地区は市内で数少ない人口減少地区に転じている

美濃加茂市の総人口は1990年の43,013人から2020年の56,689人まで一貫して増え、2026年7月1日現在で57,442人。人口が減る自治体が多い岐阜県のなかで増加を続けてきた市にあたる。その中心にあるのが美濃太田駅で、JR東海の高山本線・太多線と長良川鉄道越美南線の3路線が集まる。駅南側では美濃太田駅南地区第一種市街地再開発事業が動いており、美濃加茂市の資料によれば施行区域面積は約1.0ヘクタール、総事業費は約104.1億円、建築概要は住宅141戸(約12,000平方メートル)・商業業務約3,000平方メートル・駐車場170台。住宅棟・商業+住宅棟・商業棟・駐車場棟の4棟構成で、住宅の保留床はフージャースコーポレーションが参加組合員として購入予定とされている。手続きは2026年1月7日に施行地区となるべき区域が公告された段階まで進み、市の想定では2026年度に再開発組合設立、2027年度に権利変換計画認可と解体、2028年度から約30か月の新築工事を経て2030年度の工事完了となる。ただし美濃加茂市人口ビジョン(令和7年4月改定)は、市全体が増える一方で「古くからの市街地である太田地区では減少傾向」と明記しており、市の伸びをそのまま駅前に当てはめられない。同ビジョンは日本人人口が減少傾向にあり、近年の人口増の主な要因は外国人市民の転入超過だとも記している。市の都市計画課資料は駅南地区について、空き家・閉店した商店が顕著で建築物の老朽化も進んでいるとし、事業の費用便益比(B/C)は1.06と評価されている。国土交通省の公示地価をみても、美濃太田駅から半径2キロメートル圏の中央値は2015年から2025年までの10年間で5%下がっており、再開発の進捗はまだ地価に反映されていない。総務省の令和5年住宅・土地統計調査による美濃加茂市の空き家率は13.2%と全国13.8%をわずかに下回るが、借家5,690戸に賃貸用の空き家1,700戸を加えた7,390戸に対する賃貸の空室率は23.0%で、賃貸市場に限れば需給は緩い。

エリアの見通し年表

2026
再開発組合が設立されたかの確認と、権利者12名の合意形成の進捗確認進行中

美濃太田駅南地区第一種市街地再開発事業で、美濃加茂市の想定スケジュール上「事業計画認可」と「再開発組合設立」が置かれている年度。前段の手続きとして、美濃加茂市は2026年1月7日に施行地区となるべき区域を公告し、区域内に未登記の借地権を持つ人に対して同年2月5日までの申告を求めた。準備組合は2026年6月26日の第12回通常総会で建設系事業協力者をTSUCHIYAに決定している。準備組合の権利者数は12名。

2027
解体着手の有無と、周辺の賃貸・駐車場需給への影響の確認転機

美濃加茂市の想定スケジュール上、権利変換計画認可・土地等の明渡し・解体除却工事が置かれている年度。ここまで進むと事業の後戻りは実質的に難しくなる一方、駅南側の既存建物が除却されるため、周辺の商業テナントや駐車場の需給が一時的に動く時期にあたる。市の都市計画課資料によれば、駅南地区は空き家・閉店した商店が顕著で建築物の老朽化も進んでいるとされる。

2030
141戸の分譲・賃貸の消化状況と、既存中古物件の価格への波及の確認再評価

美濃加茂市の想定スケジュール上、再開発ビルの工事完了と組合解散・精算が置かれている年度。住宅141戸が新規に市場へ出るため、美濃太田駅周辺の分譲・賃貸の相場が新築水準に引き上げられるか、既存物件との二極化が進むかが見えてくる。準備組合は住宅の主な商圏を「加茂郡・可児郡・関の美濃太田駅から5キロメートル圏内」と想定し、中濃・東濃エリアの先行事例として多治見市の再開発事業を比較検討したとしている。

2035
実績人口と目標60,000人・社人研推計56,846人との位置関係の確認警戒

美濃加茂市人口ビジョン(令和7年4月改定)が将来展望人口60,000人の達成目標に置いている年。同ビジョンによれば、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2035年の市の人口は56,846人で、2020年比では157人の増加にとどまる一方、生産年齢人口は926人の減少となる。市は目標と推計の差である約3,150人を、若い年代の定住と転入促進で埋めるとしている。目標が達成されなければ、賃貸需要の担い手である生産年齢人口は先に減り始める。

2050
高齢化率32%台への到達時期と、長期保有物件の出口計画への影響の確認警戒

美濃加茂市人口ビジョンが将来展望人口の終点に置いている年。同ビジョンの推計表では、社人研推計に基づく市の人口は2035年の56,846人をピークに2050年53,983人まで減り、65歳以上の割合は将来展望人口ベースでも32.37%に達するとされている。市自身が「将来的な少子高齢化は避けられない」と記載しており、長期保有の出口では買い手の年齢構成が現在と変わっている前提が要る。

買う理由(5

美濃太田駅南側で総事業費約104.1億円・住宅141戸の第一種市街地再開発事業が進み、2026年1月7日に美濃加茂市が施行地区となるべき区域を公告した

美濃加茂市の総人口は1990年の43,013人から2020年の56,689人まで一貫して増え、2026年7月1日現在も57,442人と増加基調にある

美濃太田駅にはJR東海の高山本線・太多線と長良川鉄道越美南線の3路線が集まり、名古屋方面へは太多線・中央本線経由の運賃が岐阜経由より安い

美濃太田駅周辺地区は美濃加茂市立地適正化計画で「都市拠点」として都市機能誘導区域に位置づけられている

再開発にあわせて高度利用地区の容積率最高限度が400%から500%に引き上げられ、駅南地区の都市計画道路2路線も事業内で整備される

買わない理由(5

美濃太田駅がある太田地区は、市全体が人口増を続けるなかで減少に転じた数少ない地区とされている

美濃加茂市の人口増は外国人市民の転入超過が主因で、日本人人口は減少傾向にある

美濃太田駅南地区は空き家と閉店した商店が顕著で、建築物の老朽化も進んでいると市が説明している

再開発事業の費用便益比(B/C)は1.06で、便益が費用をわずかに上回る水準にとどまる

住宅141戸が2030年度に一度に市場へ出るため、美濃太田駅から5キロメートル圏の需要を一時的に吸い上げる可能性がある

人口の未来(美濃太田

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・48メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
9,533人(2025)
2050年 88 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 1011012025年 1001002030年 99992035年 972040年 94942045年 912050年 88882055年 852060年 82822065年 782070年 7575全国 71202020302040205020602070
高齢化率
28.3%
全国比 -1.3pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 28.3%28.32030年 29.6%29.62035年 31%2040年 33.1%33.12045年 34.2%2050年 35.3%35.32055年 36.2%2060年 38.1%38.12065年 38.8%2070年 38.7%38.7全国 38.7%20302040205020602070
美濃太田(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は88減少傾向) 高齢化率も全国より1.3pt低い(若い) 生産年齢人口(15〜64歳)は5,685人(2025)→4,451人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(美濃太田

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

美濃加茂市の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
29.0%2020
全国比 -9.0pt10年で +2.4pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 美濃太田 26.6%26.62015年 美濃太田 26.9%26.92020年 美濃太田 29.0%29.0201020152020
夫婦と子供世帯率
31.2%2020
全国比 +6.2pt10年で -0.2pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 美濃太田 31.4%31.42015年 美濃太田 32.0%32.02020年 美濃太田 31.2%31.2201020152020
美濃太田美濃加茂市全国

単身世帯率は29.0%と全国より9.0pt低い10年の変化は+2.4ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは緩やか夫婦と子供世帯は31.2%と全国より6.2pt高い なお単身のうち65歳以上は7.8%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
3.9万円/m²
2.14.8万円/m²
2025年 / 7地点
路線価
2.6万円/m²
1.73.3万円/m²
令和6年 / 408地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)参考値
実勢 110%
公示 100%
路線価 67%

この街は公示価格の調査地点が7地点と少ないため、乖離率は参考程度にご覧ください。

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

空き家率・賃貸空室率(美濃加茂市

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
13.2%
全国比 -0.6pt前回比 -3.4pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 11.1%11.12013年 22.8%22.82018年 16.6%16.62023年 13.2%13.22008201320182023
賃貸空室率
23.0%
全国比 +4.4pt前回比 -8.3pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 38.2%38.22018年 31.3%31.32023年 23.0%23.02008201320182023
美濃加茂市全国

空き家率13.2%の内訳

空き家を100%とした構成比
50%
44%
賃貸用50%その他(相続放置・長期不在)44%売却用・別荘等5%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層初めて家を買う人エリア性格郊外のベッドタウンエリア性格昔から続く住宅街エリア性格国道沿いの大型店ゾーン

    市場の中心は市内在住の一次取得者層や共働きの子育て世帯で、2台以上の駐車スペースを確保できる画地が選好される。対象近隣地域の中心価格帯は土地が700万~1200万円、新築建売が2200万~2800万円程度が目安。美濃太田駅南側の既成市街地は地縁性のある需要者に限られ、供給量も少なく成約価格にばらつきが大きい。商業地は駅前の小規模店舗街から、駐車場を確保しやすい国道248号や山手町周辺のロードサイドへ需要が移行しつつある。需要者は地元事業主のほか全国チェーンも含まれるが、取引自体が少なく中心となる価格帯の把握が困難な地点が複数みられる。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み住環境良好マクロ感応性安定

    美濃加茂市は岐阜県内では珍しく高齢化比率が低く人口も微増を続けるが、増加分の多くは外国人人口によるものであり、複数地点で共通して指摘されている。地域要因としては、美濃太田駅南側で市役所庁舎移転や市街地再開発事業の行方が注目されるものの現時点では変動には至っていない。中部台の大規模住宅団地周辺では大病院の開設により昼間人口が増加し団地内でも特性の差異が生じ始めている。古井駅・山手通り周辺では残存農地の宅地化が進展し、商業地では店舗の出退店が交錯しつつ商圏内でのプレゼンス向上がうかがえる。個別的要因の変動は各地点とも小さい。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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