中立八尾市 八尾

八尾市は近鉄八尾駅前に商業が集まる大阪都心近郊の中核市だが、住宅・土地統計調査2023年時点の賃貸空室率が25.6%と高く、住民基本台帳人口も減少が続いている

八尾市は大阪市の東に隣接する中核市で、近鉄大阪線の近鉄八尾駅が市の商業核。駅前にはLINOAS八尾とArio八尾が並び、近鉄八尾駅の1日乗降人員は2024年11月12日の近鉄調査で34,711人。市内にはJR大和路線・おおさか東線の久宝寺駅、大阪メトロ谷町線の終点である八尾南駅もあり、複数路線で大阪都心とつながる。開発面では、大阪航空局が管理する八尾空港西側跡地の国有地約9.2ha(うち八尾市域約7.1ha、大阪市域約2.1ha)について、八尾市が令和7年に事業者ヒアリング調査を実施し、令和8年度に大阪市との検討会を設立してまちづくり基本構想の策定に着手する予定。都市計画道路のJR八尾駅前線は令和8年2月下旬に一部区間で車両を含む通行が始まる。産業面では、西名阪自動車道の藤井寺ICに近い立地から物流施設の開発が続き、NTT都市開発が同社初の物流施設(延床約2.4万㎡)を2025年8月に竣工、日本GLPが「Marq 八尾3」(延床約1.7万㎡)を2026年5月に着工した。八尾市内から取得した公示地点40地点の中央値でみると、公示地価は2025年時点で13.3万円/㎡、2015年からの10年間で+2%、直近1年で+0.76%と、上昇はしているものの伸びは小さい。一方で人口は減少局面にあり、八尾市の住民基本台帳人口は2025年3月末時点で257,520人。総務省の住宅・土地統計調査2023年時点で八尾市の空き家率は13.9%、賃貸住宅に限った空室率は25.6%と、賃貸の需給は緩い。都心近接と産業集積という強みと、人口減少・賃貸空室という弱みが同時に効くエリア。

エリアの見通し年表

2026
JR八尾駅前の通行環境の変化と、八尾空港西側跡地の検討会で示される導入機能を確認転機

都市計画道路のJR八尾駅前線が、令和8年2月下旬に一部区間で車両を含む通行を開始する予定。全線整備が終わるまでは幅員4.7mでの暫定供用となる。同じ令和8年度には、八尾空港西側跡地約9.2haについて八尾市と大阪市が検討会を設立し、まちづくり基本構想の策定に着手する予定。

2027
物流施設の稼働が周辺の雇用と単身向け賃貸需要にどう効くかを確認進行中

日本GLPが八尾市神武町で開発する物流施設「Marq 八尾3」(地上4階建て・延床約1万7000㎡)が2027年11月に竣工予定。西名阪自動車道の藤井寺IC近接という立地を背景に、八尾市内では物流施設の新規供給が続く。

2028
八尾南駅周辺の地価と物件価格に、跡地開発がどこまで織り込まれているかを確認様子見

八尾空港西側跡地の基本構想が固まれば、住宅・物販・生活サービスなど導入機能と事業者公募の枠組みが具体化する段階に入る。ただし現時点で八尾市は導入機能を確定しておらず、着工時期も示していない。

2030
保有物件の稼働率と募集賃料を近鉄八尾駅・久宝寺駅からの距離帯別に点検し、出口戦略を見直す警戒

八尾市の住民基本台帳人口は減少が続いており、2023年時点で賃貸空室率が25.6%と高い水準にある。新規の賃貸供給が続けば、駅から離れた築古アパートから稼働率の低下が進みやすい。

2033
八尾市域への延伸が事業化の段階に入ったかを大阪府の発表で確認転機

大阪モノレールの門真市〜瓜生堂間8.9kmの延伸が2033年度ごろの開業見通し。瓜生堂から久宝寺を経て堺方面へ延ばす構想について、堺市・八尾市・松原市が2017年6月に大阪府へ要望書を提出しているが、建設に向けた議論は進んでいない。

買う理由(5

近鉄八尾駅は八尾市の商業核で、駅前にLINOAS八尾とArio八尾が並び、1日乗降人員は2024年11月12日の近鉄調査で34,711人

八尾市は西名阪自動車道の藤井寺ICに近く、2024年以降に大手デベロッパーの物流施設が相次いで着工・竣工している

大阪航空局が管理する八尾空港西側跡地の国有地約9.2haで、八尾市が令和8年度に大阪市との検討会を設立しまちづくり基本構想の策定に着手する予定

都市計画道路のJR八尾駅前線が令和8年2月下旬に一部区間で車両を含む通行を開始する予定

八尾市はものづくり企業の集積地で、市が工場立地に対する固定資産税の奨励金制度を用意している

買わない理由(5

八尾市の賃貸空室率は住宅・土地統計調査2023年時点で25.6%と高く、賃貸の需給は緩い

八尾市の住民基本台帳人口は減少が続き、2025年3月末時点で257,520人

八尾市の空き家18,460戸のうち5,710戸が相続放置や長期不在の「その他の住宅」で、放置空き家率は4.3%

大阪モノレールの八尾市域への延伸は構想段階にとどまり、事業化の見通しが立っていない

八尾市の市街地は大和川・恩智川などの浸水想定区域を抱え、内水氾濫のリスクがある

人口の未来(八尾

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・47メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
38,733人(2025)
2050年 81 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 1031032025年 1001002030年 97972035年 932040年 89892045年 852050年 81812055年 772060年 73732065年 682070年 6464全国 71202020302040205020602070
高齢化率
28.4%
全国比 -1.2pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 28.4%28.42030年 30%302035年 32.5%2040年 35.4%35.42045年 36.7%2050年 38%382055年 38.7%2060年 39.8%39.82065年 40.6%2070年 41%41全国 38.7%20302040205020602070
八尾(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は81減少傾向) 高齢化率も全国より1.2pt低い(若い) 生産年齢人口(15〜64歳)は23,235人(2025)→16,278人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(八尾

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

八尾市の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
33.4%2020
全国比 -4.6pt10年で +6.2pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 八尾 27.2%27.22015年 八尾 29.6%29.62020年 八尾 33.4%33.4201020152020
夫婦と子供世帯率
28.7%2020
全国比 +3.7pt10年で -3.3pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 八尾 32.0%32.02015年 八尾 31.0%31.02020年 八尾 28.7%28.7201020152020
八尾八尾市全国

単身世帯率は33.4%と全国より4.6pt低い10年の変化は+6.2ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは速い夫婦と子供世帯は28.7%と全国より3.7pt高い なお単身のうち65歳以上は15.0%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
13.3万円/m²
9.921.7万円/m²
2025年 / 40地点
路線価
10.5万円/m²
714.5万円/m²
令和6年 / 1174地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)
実勢 110%
公示 100%
路線価 79%

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

空き家率・賃貸空室率(八尾市

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
13.9%
全国比 +0.1pt前回比 -0.4pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 14.1%14.12013年 14.8%14.82018年 14.3%14.32023年 13.9%13.92008201320182023
賃貸空室率
25.6%
全国比 +7.0pt前回比 -3.2pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 22.3%22.32018年 28.8%28.82023年 25.6%25.62008201320182023
八尾市全国

空き家率13.9%の内訳

空き家を100%とした構成比
62%
31%
賃貸用62%その他(相続放置・長期不在)31%売却用・別荘等7%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層初めて家を買う人買い手の需要層地元の店主・事業主エリア性格駅前の繁華街エリア性格国道沿いの大型店ゾーンエリア性格郊外のベッドタウンエリア性格戸建中心の住宅街

    同一需給圏は八尾市及び周辺市に広がる近鉄大阪線・JR関西本線沿線の住宅地域、または近鉄八尾駅前・幹線道路沿いの商業地域とされる。住宅地の主たる需要者は八尾市に地縁を有する一次・二次取得者で、圏外からの転入は少なく、自己使用目的での取引が中心である。山本町地区など画地規模の大きい優良住宅地では富裕層の需要も指摘される。駅接近性や住環境の優劣が選好性を左右し、近鉄八尾駅・JR八尾駅・久宝寺駅周辺は需要が堅調な一方、最寄駅から遠い地域は需要がやや弱いとする指摘が複数見られる。商業地の需要者は地元の中小事業者が中心で、一部で全国展開店舗も想定されるが、いずれも取引件数が少なく中心価格帯の把握は困難とされる。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み利便性高マクロ感応性安定

    一般的要因では雇用・所得環境の改善や物価上昇、建築コスト高等が繰り返し言及されるが、地域要因については大半の地点で特段の変動はないとされ、個別的要因の変動もほぼ皆無である。年間変動率は地点により大きく異なり、福万寺町の住宅地で唯一マイナス1.1%となる一方、南本町の路線商業地では+3.4%、近鉄八尾駅前や光町の商業地でも+3%台の上昇がみられる。住宅地の多くは0%台の横ばいから1%前後の緩やかな上昇にとどまり、駅接近性や住環境の良否によって地価変動が地点ごとに大きく分かれる、いわゆる二極化の傾向が複数の鑑定書で指摘されている。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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