追い風大阪市都島区 京橋

総事業費約1,031億円のJR京橋駅付近1.3km地下化が11年ぶりに再開方針となり、駅周辺の土地区画整理事業の検討も動き出した

大阪市はJR片町線・東西線の京橋駅付近約1.3kmを別線地下化する連続立体交差事業について、2025年5月14日の建設事業評価有識者会議で費用便益比1.30として事業再開を妥当と評価した。線路跡地と低未利用地の一体開発が想定され、京阪ホールディングスも京阪京橋駅直上の複合ビル建設に2030年までに着工する針を示している。ただし地下化の完成予定は2053年度で、投資家が保有期間内に果実を受け取れる時間軸ではない。足元で効くのは3社6路線の結節点としての単身賃貸需要であり、都島区の賃貸空室率21.3%(2023年住宅・土地統計調査)が示すとおり物件単位の選別が要る。

エリアの見通し年表

2026
事業の進捗確認進行中

大阪市はJR片町線・東西線連続立体交差事業について2026年2月に対応方針を決定し、2026年度からの本格再開を目指す段階にある。京橋駅周辺の土地区画整理事業および都市計画道路玉造筋線等に関する検討調査も並行して進む。

2030
計画確定後の価格水準の確認転機

連続立体交差事業の事業認可取得が2030年度に予定されている。京阪ホールディングスは同じく2030年までに京阪京橋駅直上の複合高層ビルへ着工する方針を示しており、駅前の絵姿がこの前後で具体化する。

2033
工事影響の範囲確認転機

連続立体交差事業の着工が2033年度に予定されている。用地取得は2031年度から始まり、この時期は工事の影響と期待の両方が価格に混在する局面になる。

2040
人口動態の再確認警戒

社人研の推計では都島区の人口は2030年の108,831人をピークに減少へ転じ、2040年は106,685人(2020年比-1.2%)となる。地下化の完成前に人口減少局面が先に来る。

2053
長期シナリオとしてのみ考慮様子見

連続立体交差事業の完成予定年度。踏切が除却され線路跡地の土地利用が確定するが、2026年時点の投資判断からは27年先にあたる。

買う理由(6

JR片町線・東西線の京橋駅付近1.3km地下化が総事業費約1,031億円で11年ぶりに事業再開の方針となった

大阪市が京橋駅周辺の土地区画整理事業と都市計画道路玉造筋線の検討調査に着手した

京阪ホールディングスが京阪京橋駅直上の複合高層ビルに2030年までに着工する方針を示している

3社6路線が交差し、JR京橋駅の1日平均乗車人員はJR西日本管内5位の116,698人

京橋駅周辺は2012年指定の都市再生緊急整備地域(大阪城公園周辺地域121ha)に含まれる

大阪府は2025年に15,667人の転入超過で、大阪市の外国人転入超過は全国の市区町村で最多

買わない理由(6

都島区の賃貸空室率21.3%は物件単位での選別を要する水準

地下化事業の完成は2053年度予定で、通常の保有期間には果実が乗らない

都島区の人口は2030年をピークに減少へ転じる推計

淀川・寝屋川流域の洪水浸水想定に加え、高潮・内水氾濫・南海トラフ津波が重なる

駅前は繁華街で、夜間の環境を理由に敬遠される立地が含まれる

イオン京橋店跡地約15,000m²の本格再開発は暫定利用のまま長期化している

人口の未来(京橋

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・38メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
50,094人(2025)
2050年 91 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 99992025年 1001002030年 99992035年 982040年 96962045年 932050年 91912055年 882060年 85852065年 812070年 7777全国 71202020302040205020602070
高齢化率
24.9%
全国比 -4.7pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 24.9%24.92030年 25.8%25.82035年 27.7%2040年 30.5%30.52045年 32.2%2050年 34.1%34.12055年 36.4%2060年 39%392065年 41.2%2070年 40.7%40.7全国 38.7%20302040205020602070
京橋(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は91減少傾向) 高齢化率も全国より4.7pt低い(若い) 生産年齢人口(15〜64歳)は32,625人(2025)→25,920人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(京橋

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

大阪市都島区の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
53.2%2020
全国比 +15.2pt10年で +6.3pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 京橋 46.9%46.92015年 京橋 46.2%46.22020年 京橋 53.2%53.2201020152020
夫婦と子供世帯率
19.5%2020
全国比 -5.5pt10年で -3.0pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 京橋 22.5%22.52015年 京橋 21.5%21.52020年 京橋 19.5%19.5201020152020
京橋大阪市都島区全国

単身世帯率は53.2%と全国より15.2pt高い10年の変化は+6.3ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは速い夫婦と子供世帯は19.5%と全国より5.5pt低い なお単身のうち65歳以上は13.0%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
35.5万円/m²
31.537.7万円/m²
2025年 / 9地点
路線価
25.5万円/m²
14.538万円/m²
令和6年 / 410地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)参考値
実勢 110%
公示 100%
路線価 72%

この街は公示価格の調査地点が9地点と少ないため、乖離率は参考程度にご覧ください。

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

空き家率・賃貸空室率(大阪市都島区

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
17.0%
全国比 +3.2pt前回比 -0.4pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 13.3%13.32013年 15.9%15.92018年 17.4%17.42023年 17.0%17.02008201320182023
賃貸空室率
21.3%
全国比 +2.7pt前回比 +0.5pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 20.3%20.32018年 20.8%20.82023年 21.3%21.32008201320182023
大阪市都島区全国

空き家率17.0%の内訳

空き家を100%とした構成比
68%
25%
賃貸用68%その他(相続放置・長期不在)25%売却用・別荘等7%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層初めて家を買う人買い手の需要層マンションデベロッパーエリア性格駅前の繁華街エリア性格マンションが建つ予定の土地エリア性格戸建中心の住宅街

    同一需給圏は京橋駅を中心とした都島区・城東区の住宅地・商業地に、谷町筋や天神橋筋、大阪ビジネスパーク(OBP)、森ノ宮周辺など大阪市中心部の商業地域が加わる広域圏として捉えられている。住宅地の需要者は地縁を持つ一次取得者が中心で、交通・生活利便性の高さから隣接区からの転入も見られ、需要は堅調に推移している。商業地では京橋駅前は不動産業者やマンション開発業者が中心の需要層だが、谷町筋・天神橋・OBP等では国内外の機関投資家や大手デベロッパーが中心となり、優良物件への需要集中と物件選別の厳格化が進んでいる。いずれの地点でも画地規模や用途、立地条件により取引価格帯にばらつきが大きく、市場の中心価格帯の把握は困難との指摘が共通して見られる。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み路線多数強み再開発マクロ感応性金利感応高

    一般的要因としては、景気は緩やかな回復基調にあるものの、建築費や物価の高騰、金利政策の動向、海外情勢等が懸念材料として挙げられている。地域要因では、京橋駅前や都島区・城東区の住宅地は地域的特性が概ね固定化・熟成しており大きな変動は認められないとする記述が大半を占める一方、森ノ宮中央エリアでは周辺の再開発計画により今後の地域要因の変化が期待されている。谷町筋・天満・天神橋周辺の商業地では、環境要因の変動率が突出して高く記録されており、マンション転用や事務所需要の高まりが地価上昇を強く後押ししている。個別的要因についてはほぼ全地点で変動なしとされている。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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