向かい風笛吹市 石和温泉駅(JR中央本線)

特急が全便停まる駅を持ちながら、笛吹市の賃貸空室率は山梨県の主要市で最も高い

石和温泉駅はJR中央本線の特急「かいじ」が全便停車する笛吹市の中心駅で、東京から127.8kmの位置にある。JR東海は2026年3月11日に隣接する甲府市大津町でリニア山梨県駅(仮称)を着工し、山梨県は国道20号 笛吹市石和町広瀬に接続する新山梨環状道路 東部区間を工事中。一方で2023年の住宅・土地統計調査による笛吹市の賃貸空室率は32.5%で、甲府市の25.0%・甲斐市の23.4%を上回る。笛吹市は立地適正化計画を策定しておらず、居住誘導区域という形で将来の集約方針が示されていない点も出口の読みにくさにつながる。

エリアの見通し年表

2027
開通時期の公表確認様子見

新山梨環状道路 東部区間2期(落合西IC〜(仮)広瀬IC・延長5.5km)の開通時期。山梨県は2014年度の事業着手から2026年5月時点まで用地取得を続けており、開通年度を公表していない。

2031
隣接市の整備進捗確認転機

JR東海によるリニア山梨県駅(仮称)の駅施設完成予定年。隣接する甲府市大津町で(仮称)甲府中央スマートIC・P&R駐車場と一体で整備される。

2034
東京アクセス短縮の実測転機

リニア中央新幹線 品川〜名古屋の開業(JR東海が示す最短シナリオ)。開業すると山梨県駅から品川まで25分・名古屋まで40分となり、甲府盆地全体の対東京アクセスが変わる。

2036
保有期間の再点検再評価

静岡工区の遅れが続いた場合のリニア開業シナリオ。笛吹市は駅を持たないため、開業前提で取得した物件は保有期間が想定より長期化する。

2040
出口戦略の再点検警戒

笛吹市の人口減少が進む局面。笛吹市は2026年3月に人口ビジョンを改訂し、若年層・生産年齢層の転出超過を課題として挙げている。

買う理由(6

石和温泉駅はJR中央本線の特急「かいじ」が全便停車する笛吹市の中心駅

リニア山梨県駅(仮称)が2026年3月11日に隣接する甲府市で着工した

新山梨環状道路 東部区間の終点が笛吹市石和町広瀬に置かれている

笛吹市の人口66,064人のうち約4割の26,101人が石和町に集まっている

石和温泉駅は南北自由通路と両側の駅前広場の整備が完了している

石和温泉郷は毎分2,000リットルの湯量を持つ山梨県内有数の温泉地

買わない理由(7

笛吹市の賃貸空室率32.5%は甲府市・甲斐市を上回る

笛吹市の放置空き家率9.4%も県内主要市より高い

笛吹市の転出先は隣接する甲府市が最多で、若年層・生産年齢層が流出している

笛吹市は立地適正化計画を策定していない

新山梨環状道路 東部区間の開通時期が公表されていない

旅館業は全国で稼働率38.4%・施設数が10年で13%減という縮小局面にある

笛吹川など県管理河川の洪水浸水想定区域が市街地にかかる

人口の未来(石和温泉

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・41メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
6,130人(2025)
2050年 79 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 1031032025年 1001002030年 97972035年 93932040年 88882045年 83832050年 79792055年 74742060年 70702065年 65652070年 6060全国 71203040506070
高齢化率
32.0%
全国比 +2.4pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 32%322030年 34.4%34.42035年 37.3%37.32040年 40.6%40.62045年 42.5%42.52050年 43.9%43.92055年 45.8%45.82060年 47.4%47.42065年 49.4%49.42070年 48.8%48.8全国 38.7%3040506070
石和温泉(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は79減少傾向) 高齢化率も全国より2.4pt高い 生産年齢人口(15〜64歳)は3,558人(2025)→2,326人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(石和温泉

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

笛吹市の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
29.1%2020
全国比 -8.9pt10年で +5.8pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 石和温泉 23.3%23.32015年 石和温泉 25.5%25.52020年 石和温泉 29.1%29.1101520
夫婦と子供世帯率
27.0%2020
全国比 +2.0pt10年で -2.7pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 石和温泉 29.7%29.72015年 石和温泉 28.6%28.62020年 石和温泉 27.0%27.0101520
石和温泉笛吹市全国

単身世帯率は29.1%と全国より8.9pt低い10年の変化は+5.8ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは速い夫婦と子供世帯は27.0%と全国より2.0pt高い なお単身のうち65歳以上は12.5%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
3万円/m²
1.83.9万円/m²
2025年 / 8地点
路線価
2.5万円/m²
23.9万円/m²
令和6年 / 186地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)参考値
実勢 110%
公示 100%
路線価 83%

この街は公示価格の調査地点が8地点と少ないため、乖離率は参考程度にご覧ください。

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

出典:「地価公示データ」(国土交通省 不動産情報ライブラリ)をもとにRETTO作成

空き家率・賃貸空室率(笛吹市

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
18.2%
全国比 +4.4pt前回比 -2.7pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 20.5%20.52013年 25.7%25.72018年 20.9%20.92023年 18.2%18.208131823
賃貸空室率
32.5%
全国比 +13.9pt前回比 -11.4pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 46.8%46.82018年 43.9%43.92023年 32.5%32.508131823
笛吹市全国

空き家率18.2%の内訳

空き家を100%とした構成比
42%
51%
賃貸用42%その他(相続放置・長期不在)51%売却用・別荘等7%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層初めて家を買う人エリア性格昔から続く住宅街エリア性格国道沿いの大型店ゾーンエリア性格駅前の繁華街

    同一需給圏は笛吹市及び峡東地域一円とされる地点が多い。商業地は駅前(商業地5)では地元客中心の買い回り品店舗が集積し観光商業色は薄い一方、幹線道路沿い(商業地4)は全国チェーン店を含む県内外資本が需要層となる。住宅地では石和町・春日居町中心部で30〜40代ファミリー層による宅地分譲需要が活発で、土地600〜800万円台、新築建売2,000万円台後半〜2,500万円が取引の中心とされる。一方、御坂町・八代町・一宮町・境川町など郊外の農家住宅地域では、地縁・血縁を有する者による実需が需要の大半を占め、圏外からの転入はほとんど見られない閉鎖的な土地柄が繰り返し指摘されている。取引物件の個別性が強く、中心となる価格帯を見出しにくい点は商業地・住宅地に共通する特徴である。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み希少性マクロ感応性安定

    一般的要因として笛吹市の人口減少・高齢化率の上昇がほぼ全地点で共通して指摘されている。コロナ禍からの回復により観光・飲食関連施設の収益性は改善傾向にあるとされるが、その恩恵は石和温泉駅前(商業地5)や幹線道路沿いの郊外店舗(商業地4)など一部エリアに限られ、峡東地域全体の観光需要の伸びは富士五湖方面に集中し当地域への波及は限定的との指摘も複数見られる。地域要因では、御坂町・八代町・一宮町・境川町等の農家住宅地域(過半数の住宅地)で地縁的選好性の強さと閉鎖的な土地柄が繰り返し挙げられ、圏外からの転入需要が乏しいことが弱含みの背景とされる。個別的要因の変動は全地点で「なし」と一致する一方、年間変動率は駅前商業地の+0.5%を除き大半がマイナス0.3〜2.5%で推移している。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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— 不動産情報ライブラリ (国土交通省) の公示地価鑑定評価書 15 地点 (2025) を RETTO が要約

このエリアで、さらに見られる分析

  • 物件タイプ別の判定

    ファミリー向け・ワンルーム投資それぞれの向き不向き

  • 融資に使える金融機関

    エリアをカバーする銀行・信金と積極性

  • ハザード分析

    洪水・土砂・津波リスクと水害経験による地価補正

  • 主要駅までの所要時間・想定賃料

    通勤アクセスと賃料シミュレーション

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