向かい風富士吉田市 富士山

観光客は増えたが、住む人と借りる人は減っている

富士山駅は富士登山と富士五湖観光の玄関口で、2025年の富士山吉田ルートの通行許可者数は149,713人と高水準を保った。一方、駅周辺の公示地価は2015年からの10年間で-7%下落し、直近1年は前年比0.00%の横ばい。富士吉田市の人口は1989年以降の慢性的な社会減が続き、2023年の住宅・土地統計調査では市内の賃貸住宅の空室率が23.5%に達する。山梨県が進める富士トラム構想は開業想定が2034年以降で、通常の投資判断のスパンより先にある。観光需要と住宅賃貸の需給が別方向を向いているエリア。

エリアの見通し年表

2027
計画内容を確認様子見

山梨県が2025年度に策定する富士トラムの基本計画を踏まえ、事業化判断と地元調整が進む段階。ルートが富士山駅を経由するかで、富士吉田市中心部への波及の有無が決まる。

2029
空き店舗の稼働状況を確認進行中

富士吉田市のまちづくりファンドによる空き家・空き店舗の改修が継続する局面。本町通り周辺の商業用途への転換が進むか、補助金頼みで止まるかが分かれる。

2031
接続計画の進捗を確認転機

リニア中央新幹線の山梨県駅(仮称、甲府市大津町)の駅舎が完成予定。富士トラムが構想する県内接続の前提が整う年になる。

2034
開業後の市場動向を確認転機

リニア中央新幹線 品川-名古屋間の開業想定年。富士トラムの開業もこれ以降と山梨県が示している。

2040
賃貸需要動向を確認警戒

富士吉田市の人口減少が進行する局面。観光需要が住宅賃貸の需要に波及しない場合、賃貸物件の空室率がさらに上がる。

買う理由(5

山梨県が富士トラム構想の基本計画策定に着手している

富士登山の入山管理が制度として定着し、地域に収入が残る仕組みができた

本町通りのレトロ商店街がリノベーション主導で再生している

富士吉田市の移住支援が現金給付で厚い

富士山駅は富士急行線の中心駅で、生活と観光の両方の動線が集まる

買わない理由(6

富士吉田市の人口は1989年以降、慢性的な社会減が続いている

富士吉田市の賃貸住宅の空室率は23.5%に達する

相続放置・長期不在とみられる「その他の住宅」が1,510戸ある

富士山の火山ハザードが市街地の広い範囲にかかる

観光客の増加が住宅賃貸の需要には直結しない

富士山駅周辺の公示地価は10年間で7%下落している

人口の未来(富士山

出典: 国土数値情報 将来推計人口250mメッシュ/IPSS 令和5年推計(2020年国勢調査ベース)

駅中心から半径1km・50メッシュ(250m四方)を合算。全国・都道府県と同一基準で対比。

総人口
8,981人(2025)
2050年 69 (2025=100)
指数(2025年=100)
2020年 1061062025年 1001002030年 94942035年 872040年 81812045年 752050年 69692055年 632060年 57572065年 522070年 4747全国 71202020302040205020602070
高齢化率
35.7%
全国比 +6.1pt
= 65歳以上 ÷ 総人口
2025年 35.7%35.72030年 38.6%38.62035年 41.5%2040年 44.4%44.42045年 45.5%2050年 46.1%46.12055年 47%2060年 46.9%46.92065年 46.4%2070年 45.7%45.7全国 38.7%20302040205020602070
富士山(半径1km)全国

全国は総人口が2050年に85(2025=100)まで減るのに対し、この範囲は69減少傾向) 高齢化率も全国より6.1pt高い 生産年齢人口(15〜64歳)は4,912人(2025)→2,797人(2050)。賃貸需要の担い手の厚みを測る目安。

世帯構成(富士山

出典: 国勢調査(2010・2015・2020)をもとにRETTO算出

富士吉田市の一般世帯に占める割合。市区町村単位(駅周辺ではなく行政区全体)。

単身世帯率
28.5%2020
全国比 -9.5pt10年で +5.6pt
= 単独世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 38.0%2010年 富士山 22.9%22.92015年 富士山 25.3%25.32020年 富士山 28.5%28.5201020152020
夫婦と子供世帯率
25.9%2020
全国比 +0.9pt10年で -3.7pt
= 夫婦と子供から成る世帯 ÷ 一般世帯総数
全国 25.0%2010年 富士山 29.6%29.62015年 富士山 27.8%27.82020年 富士山 25.9%25.9201020152020
富士山富士吉田市全国

単身世帯率は28.5%と全国より9.5pt低い10年の変化は+5.6ptで、全国(+5.6pt)より単身化のペースは速い夫婦と子供世帯は25.9%と全国より0.9pt高い なお単身のうち65歳以上は10.7%(全国12.1%)。単身世帯の中身が若年層か高齢層かを見る目安。

住宅地の地価推移(万円/m²

※ 地価推移はエリア内の住宅地公示地点の中央値です。

土地価格

実勢価格
Coming Soon
実際の取引価格
公示価格(基準)
3.6万円/m²
2.34.9万円/m²
2025年 / 10地点
路線価
3.1万円/m²
1.93.7万円/m²
令和6年 / 513地点
乖離率(公示価格を100%とした場合)参考値
実勢 110%
公示 100%
路線価 86%

この街は公示価格の調査地点が10地点と少ないため、乖離率は参考程度にご覧ください。

公示価格は住宅地の調査地点のみ、路線価は住宅地・商業地の区別なく道路ごとに評価した値です。

路線価は道路ごとに異なるため、物件に面した道路の値を国税庁路線価図からPDFでご確認ください。

出典:「地価公示データ」(国土交通省 不動産情報ライブラリ)をもとにRETTO作成

空き家率・賃貸空室率(富士吉田市

出典: 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5年ごとの全国統一調査(住宅・土地統計調査)にもとづく指標。

空き家率
13.8%
全国比 0.0pt前回比 -1.1pt
= 空き家 ÷ 全住宅
全国 13.8%2008年 13.6%13.62013年 16.8%16.82018年 14.9%14.92023年 13.8%13.82008201320182023
賃貸空室率
23.5%
全国比 +4.9pt前回比 -3.9pt
= 賃貸の空き ÷ 賃貸全体
全国 18.6%2013年 28.0%28.02018年 27.4%27.42023年 23.5%23.52008201320182023
富士吉田市全国

空き家率13.8%の内訳

空き家を100%とした構成比
45%
51%
賃貸用45%その他(相続放置・長期不在)51%売却用・別荘等3%

空き家率は街全体の余り具合。内訳でその他(相続放置・長期不在)が多いほど相続放置など街の衰退サイン。

賃貸空室率は賃貸だけの埋まり具合。数値が高いほど貸しても埋まりにくい。

鑑定士のまとめ

温度感

弱含み横ばい上昇強上昇
  1. 01
    いま

    市場の特徴

    誰が、いま、どう買っているのか?

    買い手の需要層全国チェーン店買い手の需要層初めて家を買う人エリア性格観光客が集まる街エリア性格国道沿いの大型店ゾーンエリア性格戸建中心の住宅街

    商業地の同一需給圏は富士吉田市を中心とする郡内地域一円ないし県内の商業地域とされ、需要者の中心は自己使用目的の法人企業で、全国展開するFC飲食・小売チェーンや地場有力企業が典型例として複数地点で挙げられている。事業用定期借地権を利用した出店が多く商業地自体の取引は少ないため、需要の中心価格帯の把握は困難とする記述が共通する。住宅地の同一需給圏は富士吉田市中心の郡内・国中地域東部とされ、需要者は地縁・血縁を持つ個人、または周辺企業に勤務する1次取得者層が中心。土地総額1,000万円前後、新築戸建総額3,000万円前後が中心価格帯として複数地点で共通して示され、新倉山公園周辺は外国人観光客の人通りの多さが需要の下支えとして言及されている。

  2. 02
    なぜ

    地価を動かす要因

    何が上げ、何が下げているのか?

    強み観光集客マクロ感応性観光景気感応

    一般的要因では、コロナ禍終焉後の訪日外国人観光客の増加と観光需要の回復が地域経済の基盤として全地点で繰り返し言及される一方、市内の人口減少・高齢化の進行も複数地点で指摘されている。地域要因では、商業地について観光需要が見込める商業地とそれ以外とで二極化が進むとする記述が複数あり、国道139号沿いや富士見バイパス沿いなど観光・広域集客動線に位置する地点は商況が堅調とされる。住宅地では、新倉山公園周辺や区画整然とした分譲地は転入需要により相応の需要が認められる一方、市南東部の旧来からの住宅地は開発余地が乏しく閉鎖的な土地柄から需要が弱含みとされる。個別的要因は全8地点で変動なしとされ、年間変動率は商業地1のみ+1.2~1.4%の上昇、住宅地3のみ-0.9%の下落で、他6地点は0.0%である。

  3. 03
    どう値付け

    値付けの根拠

    比準と収益、どちらを重視したか?

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  4. 04
    これから

    これからの見通し

    向こう数年、どこに向かうか?

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— 不動産情報ライブラリ (国土交通省) の公示地価鑑定評価書 8 地点 (2025) を RETTO が要約

このエリアで、さらに見られる分析

  • 物件タイプ別の判定

    ファミリー向け・ワンルーム投資それぞれの向き不向き

  • 融資に使える金融機関

    エリアをカバーする銀行・信金と積極性

  • ハザード分析

    洪水・土砂・津波リスクと水害経験による地価補正

  • 主要駅までの所要時間・想定賃料

    通勤アクセスと賃料シミュレーション

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